はつねの記録

読書記録とか日記とか色々。

ゆるふわに見せかけたガチSFがすごい。/2025年4月読書記録

「再読したいけど手元にない」・「新刊書店で既に取り扱ってない」・「電子書籍にない」けど読みたい本が増えてきたので、数年ぶりに新古書店へ。
目的の本は1冊しかなかったのに、結局10冊ほど買ってしまった。そりゃ、積読も減らないよね!?しかし、電子書籍で買うよりも紙で買うと満足感がすごい。

【2025年4月に読んだ作品】

結城真一郎『#真相をお話しします』

短篇集。収録されている全ての短篇に〈現代〉が反映されすぎていて、ビビる。凄い。
どの短篇も伏線の回収という意味ではスッキリするけれど、「パンドラ」以外の後味はよろしくない傾向にある…
収録作の中では「ヤリモク」が好き。犯行動機のヤバさとラストのしんどさがお気に入り。

ビル・S・バリンジャー/矢口誠(訳)『煙で描いた肖像画』

ファム・ファタールのサスペンスだ〜!好き!
過去一度だけ出会った美少女クラッシーの行方を追うダニー。ダニーとクラッシーの物語が交互に語られて、とてもサスペンスフル!
クラッシー視点があるので、こういう生き方もやむを得ないよなと同情しちゃいそうになる…

迷子『プリンタニア・ニッポン』1巻〜5巻

待って待って!不思議な生き物・プリンタニアとのゆるふわ近未来SFライフかと思って読みはじめたんだけど!?違うな!?根底にある世界観が全然ゆるふわじゃない!ゴリゴリのSFだな!?
プリンタニアと飼育者・佐藤の日常生活を描く中で、この世界の在り方が徐々に、かつ巧みに提示されいく。「大きな猫」とは一体…?このディストピアみのある管理された社会は何…?
ジャンルとして詳しくないけど、おそらくこの作品はSFとして良質のはず。すごく面白い。

ウェブスター/土屋京子(訳)『あしながおじさん』

なるほど、これは〈少女小説〉の名作!!
ジュディの大学生活や欲しいものが具体的に描写されてて良い。共感しやすい。今の年齢でもこんなに共感出来るのだから、若い頃に読んでいたらもっと感動したかも…
しかし、落ち着いておじさまマジで落ち着いて!?となることが序盤から多い。そこの面白さもある。
あと、最後のジュディの手紙はラブレターのお手本過ぎる。めちゃ良い手紙…

水稀しま(ノベライズ)/青山剛昌(原作)/櫻井武晴(脚本)『名探偵コナン 隻眼の残像』

映画があまりにも良すぎたので、すぐにこのノベライズも読んだ。キャラの魅力はもちろんなんだけど、ストーリーが骨太で面白い。
長野県警トリオ、最高!好き!あまりにもバランスが良いんだよな…ED後のエピローグ、三人の良さが詰まりすぎていた…

戸田覚『仕事と勉強ができる人のリアル「ノート&メモ」術』

合法的に他人のノートを覗き見できる良い本!
アイデア出しや勉強用、どんな用途だとしても、きちんと使われているノートは美しくて素晴らしい。たくさんのノートを持ち腐れている人間としては、とても憧れる…この子達を有効活用できる日はいつになるのだろうか…

【2025年4月のまとめ】

2025年4月1日時点で積読は590冊。
4月中の積読追加が26冊、読了・再読が10冊。
結果、4月30日時点で積読606冊。

『プリンタニア・ニッポン』との出会いは、おそらく2025年上半期最大の衝撃。続きが気になる作品があるって幸せだ。

V・I・ウォーショースキーと出会う/2025年3月読書記録 

例年通り、体調不良が続く3月。気圧と寒暖差に弱すぎる…
そんな中、某番組のマンガ大好き芸人観たり、友人からオススメ漫画を教えてもらったりして、読みたい漫画が増えた!自分が好きそうな漫画を探すのが下手くそなので、大変ありがたい!

【2025年3月に読んだ作品】

谷瑞恵『伯爵と妖精 プロポーズはお手やわらかに』

シリーズ三作目。再読。
ケルピーがリディアに対して一途で思いやりがあって、良いヤツなんだよね…魔性のアンシーリーコートなのに。リディアにひよこを渡す場面がめっちゃ好き。
この作品のおかげでムーンストーンへの憧れが募り、ミネラルマルシェでムーンストーンを全力で探すようになった。

小川哲「嘔吐」

文芸誌『GOAT』収録。
登場人物のSNS、手紙、メールで構成されている作品で、こういう形式の作品が大好きなんだけど、何という名称になるんだろう??名称が分からないから出会いも偶然に頼るしかなくて…
SNS、ファンダム、文学作品の読み方問題など様々な要素が詰まっている短篇。一介のオタクとしては身につまされるものがある…明日は我が身の可能性もあるから…

尾崎世界観「【ア】【イ】」

文芸誌『GOAT』収録。
お!久しぶりにリリカルな王道青春恋愛小説を読んじゃうか!?と思いきや、全然違った。いや、青春恋愛小説でもあるような気がするけど、う〜ん??なんと言ったら良いのか…
あまり読んだことのないタイプの小説で、面白い。尾崎世界観の他作品も読んでみたい。

谷瑞恵『伯爵と妖精 恋人は幽霊』

シリーズ四作目。
このあたりからエドガーが青騎士伯爵として、リディアの婚約者(仮)として、ちゃんと意識しはじめてる。
このシリーズでは、レイヴンのことがおもしろ可愛くて大好きなんだけど、この時点ではまだあまりおもしろ可愛くないような…いつからおもしろ可愛くなるんだっけ…??あれ??

夏井いつき『夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業』

漫画『ほしとんで』の影響で、俳句詠んでみたい!という欲求が定期的にやってくる。いつもは思うだけで何もしないけど、今回はこの本を読むに至ったので一歩前進。
俳句の音の数え方から教えてくれるので、すごく助かる…!!拗音は前の字と合わせて一音、促音と長音はそれだけで一音。それすら分かってなかった…
そして、型に沿い手順を踏むことによってパズル的に俳句を作っていいんだ!?と目からウロコ!
過去イチ俳句へのハードルが下がっているので、今回こそは本当に俳句を初めちゃおうかな…

見延案山子(漫画)/みなと(原作)『超弩級チート悪役令嬢の華麗なる復讐譚』1巻〜7巻

推しである悪役令嬢への転生ざまぁモノ。
論破でのざまぁはもちろん、あまりにも圧倒的なパワー(物理)でのざまぁ展開がとてもスッキリして、面白い!なかでも、5巻は倒叙ミステリの趣きがあるのでお気に入り。
7巻が聖女との直接対決直前で終わってるので、続きが気になる!
そして、出番は少ないものの執事のカイルが最高なのだ…

芦沢央「念のため」

文芸誌『GOAT』収録。
確かにこれも愛あるいは優しさのひとつと思う自分と、あ!?ナメてるのか!?と思う自分が殴り合いをしている…(後者が優勢)
読み終わってすぐはそうでもなかったけど、じわじわしんどくなってくるタイプの作品だった。

サラ・パレツキー/山本やよい(訳)『サマータイム・ブルース[新版]』

『名探偵コナン』の灰原哀の名前の由来という知識しかなかったV・I・ウォーショースキーだけど、めちゃくちゃ良いね!?ちょっと気負いすぎかな?とも思うけど、仕事面では「弱きを助け強きを挫く」を体現しつつ、生活面では片付けが苦手とか親近感が湧くし、とても魅力的。
事件に巻き込まれたジルとアニタや医者のロティとの関係性はシスターフッドの物語としても読めるような…
ストーリーも面白いし、このシリーズは読んでいこう!

二階堂彩(漫画)/アガサ・クリスティ(原作)『そして誰もいなくなった』全3巻

書店で見つけて、コミカライズ!?それは買わなきゃ!?と謎の義務感にかられて購入。
まず作画が好みだし、原作に忠実だし、良いコミカライズ。メディアミックスに向いた作品だな…としみじみ。
最後の海岸での対決が大好きなのだ。

【2025年3月のまとめ】

2025年3月1日時点で積読は578冊。
3月中の積読追加が24冊、読了・再読が14冊。
結果、3月31日時点で積読590冊。

文芸誌『GOAT』を少しずつ読み進めてるけど、これが500円ちょっとで買えるの凄すぎるね??改めて文芸誌の良さが分かりはじめたので、色んな文芸誌に挑戦してみようかな!

 

短篇をたくさん読む/2025年2月読書記録

2月って、こんなに寒かったかな…??とか思ってたら、月末は急に暖かいな!?気温差で体調を崩しやすいので、気をつけよう…

【2025年2月に読んだ作品】

西加奈子「ディヴァイン」

文芸誌『GOAT』収録。
二人称小説は珍しいな〜と気楽に読みはじめたけど!?え、アレが語り手なの!?と面食らう。二人称ですら接することが少ないのに、こういうパターンは初めてだ…
〈愛〉とは我々が作り出し、望むと望まざると関わらず共に生き、ただそこにあるもの。確かに、綺麗事じゃない〈愛〉とはそういうものかも。我々が勝手に作り出した逃れられない何か…考えはじめると、急に怖くなってくる。
〈愛〉を特集する文芸誌の一発目からいきなり変化球を正面からくらってしまった…

『タナトスの蒐集匣 -耽美幻想作品集-』

耽美や幻想、タナトスという言葉に弱いうえに、収録作が豪華すぎるので迷わず購入。
偏愛する坂口安吾「桜の森の満開の下」・夢野久作「瓶詰地獄」・太宰治「駆込み訴え」が1冊に収められているの、とても最高!
まぁ、芥川龍之介「影」・江戸川乱歩「芋虫」・折口信夫「身毒丸」・谷崎潤一郎「刺青」・泉鏡花「浮舟」・小栗虫太郎「白蟻」・夏目漱石「夢十夜」と収録作は全部良いですけど!
「刺青」は初めて読んだ。まさに耽美主義の真髄って感じで、大変好み。谷崎潤一郎、読んでみたい短編は色々あるけれど、おのおの収録されている本を調べるのが億劫で後回しになっている…
そして、毎回読む度に思うけど泉鏡花をすらすらと読める人間になりたい。文語表現、苦手だ…

市川沙央「音の心中」

文芸誌『GOAT』収録。
『ハンチバック』の時も感じたけど、読むと自分の中にある考えや感情に問答無用で心に馴染む何かがある。共感出来る部分だけならまだしも、よく理解出来ていない部分にも、そういう風に感じる。凄い。市川沙央作品と相性良いかも。

KADOKAWAライフスタイル編集部『未来を変える私の勉強術』

こまきときこ『つれづれ語学日記』を読んで以来、英語を読めるようになりたい欲が続いている。世の皆さんは大人になってどんな風に勉強してるんだろう?と思い、参考の為に読んでみるも明らかにレベルが違った…多くの方が労働して、勉強もして、子供も育てて、SNSも発信している…凄すぎる…
自分が情けなくなりつつも、継続のコツは「無理をしない」・「楽しむ」ということは学べた!

谷瑞恵『伯爵と妖精 あいつは優雅な大悪党』

紙の本で全巻持ってるのに、電子で合本版が出ていたのでついつい買ってしまった。それくらい好きなコバルト文庫のシリーズ第一作。
19世紀半ばのイギリスを舞台に妖精や宝石をモチーフにして、自分の能力・仕事に誇りを持ってる女の子が主人公の少女小説。しかも、主要なストーリーは結構シリアスで重ため。何度読んでも面白い!!

風間賢二『怪異猟奇ミステリー全史』

ゴシック小説から最近流行りの特殊設定ミステリーへと続くミステリーの歴史を学べる。
『タナトスの蒐集匣』を読んだ時にも思ったけど、ここでもやはり谷崎潤一郎作品はちゃんと読むべきと思った。ミステリー界のターニングポイントにもいたとは思わなかったよ、谷崎潤一郎…とりあえず、「白昼鬼語」と「途上」は手元に既にあるので、マストで読む!
あと、綾辻行人『眼球綺譚』も読んでないんだよな〜!これも読まなきゃ!

生島治郎/日下三蔵(編)『悪意のきれっぱし 増補版』

おぉ!さながらロアルド・ダールのような〈奇妙な味〉ばかりの短篇集だ!面白い!
生島治郎はハードボイルド作品だけだと思っていたので、これは嬉しい発見。
収録作の中では、「冷たいのがお好き」が特に良い。官能と退廃と〈奇妙な味〉がほどよく混ざり合っている。

天城望(漫画)/福留しゅん(原作)『残り一日で破滅フラグ全部へし折ります ざまぁRTA記録24Hr.』全3巻

最近は猫も杓子も「ざまぁ」とか「悪役令嬢」とか「死に戻り」とか「転生」で正直どれも似たりよったりでは??と思ってたけど、『悪役令嬢の中の人』みたいな自分の琴線に触れまくる例もあるので気になる作品は積極的に読むようにしている。
タイトル通り、24時間で断罪を回避する必要があるのでストーリーがサクサク進み、テンポ良くて気持ちいい!アレクサンドラ、セナイダ、カロリーナ、レティシア、王妃とキャラも魅力的。好き。びっくりしたけど、ルシアのお茶会の相手も良い。

あばたも(漫画)/マチバリ(原作)『私が死んで満足ですか? 疎まれた令嬢の死と、残された人々の破滅について』1巻・2巻

もしかして原作を途中までは読んだことあるかも??この父親の気持ち悪さは覚えがあるな??
主人を敬愛する従者とか使用人が大好物なので、シェザムとカイゼルが好き。
すごいところで2巻が終わってるので、続きが気になる〜!

谷瑞恵『伯爵と妖精 あまい罠に気をつけて』

シリーズ第二作目。再読。
改めて読むと、この時はまだエドガーは青騎士伯爵としての自覚が薄そう…エドガーもリディアも成長途中だったんだな…

【2025年2月のまとめ】

2025年2月1日時点で積読は572冊。
2月中の積読追加が15冊、読了・再読が11冊。
結果、2月28日時点で積読578冊。

2月は短篇をたくさん読んだ!
昔は長篇小説ばかりを好んで読んでたけど、最近は短篇集をよく読んでる気がする。長篇を読む集中力・体力が無くなってきてるのかも…加齢よる弊害がこんなところにも…??

『ゴールデンカムイ』全31巻、完走!!/2025年1月読書記録

私は紙の本を憎んでいた。目が見えること、本が持てること、ページがめくれること、読書姿勢が保てること、書店へ自由に買いに行けること、──5つの健常性を満たすことを要求する読書文化のマチズモを憎んでいた。その特権性に気づかない「本好き」たちの無知な傲慢さを憎んでいた。

引用元:市川沙央『ハンチバック』(文藝春秋)Kindle版 p17

読書は無理してするものじゃないし、本能のおもむくままにもっと気楽にいこう!と昨年末に思ったけれども、このペースでは積読が減らない事実にもきちんと向き合う必要があり…
無理のない範囲で、以下の目標のゆるゆる達成を目指す!

①読了目標冊数(漫画含む)は130冊!
②京極夏彦の《巷説百物語》シリーズを読む!
③これまで読んだことのない作家の作品(漫画含む)を1ヶ月に1作品は読む!

【2025年1月に読んだ作品】

阪口和久『小説 落第忍者乱太郎 ドクタケ忍者隊 最強の軍師』

土井先生が大好きなので、映画の公開が決まった時から楽しみで仕方がなかった…!!
映画でめちゃくちゃ泣いた後に、この原作小説を読んだ。映画はコメディ多めだったけど、小説は骨太というか硬派というか。どちらも大好きだ!
小説だと、六年生同士の絆が思ったよりも強くて…!!あと、忍術学園が中立の立場を貫ける理由も分かってよかった。すごいよ、六年生…
そして、皆は「土井半助」を取り戻したいけど、きり丸は「土井半助」でも「天鬼」でも、とにかく生きて一緒に帰りたいんだ…と思ったら改めて涙腺が大決壊。忍たまでこんなに泣いちゃうとは…(結局、映画は2回観に行った)

ハッピーゼリーポンチ『君にかわいいと叫びたい』

作者名も作品名も表紙もハッピーで楽しそう!!と思い、購入。全く期待を裏切らない明るくて優しい世界。可愛い。最高。
桐山さんと南さんの関係性がすげぇ良い!
描き下ろしの桜小路さんも良かった〜!!とんかつは強い。

京極夏彦『巷説百物語』

再読なのに、又市と百介の存在以外は全く覚えてなかった…最早初読と一緒だ。
どの仕掛けも凝ってて面白いけど、「舞首」と「帷子辻󠄀」が特に好きだ!「帷子辻󠄀」のラスト、口八丁で生きてる又市の意外な部分がみれて良い…

川島誠『セカンド・ショット』

短編集。全収録作品がめちゃくちゃ濃い思春期の原液を頭から浴びせてきた…
何やら凄いと聞いたので、お目当ては「電話がなっている」。確かに、すっっごい。〈物語〉に擦れ気味な僕でも、この結末は想像出来なかったし、めっちゃ鬱。でも、決して嫌いじゃないんだよな…
こういうことがままあるので、未知なる作家の作品を積極的に読んでいかなきゃと思う。

市川沙央『ハンチバック』

上手く作品を読めていない気がしてしまうので、芥川賞というか純文学に対して苦手意識がある。
しかし、この作品に関しては読めているとか読めていないとか、そういう次元ではなく、怒りなのか何なのかとにかく圧倒的なパワーを直に受ける。内容にも漂う熱量にもぶん殴られたような衝撃を感じる作品。これまで生きてきた中で持っていなかった視点を得られた気がする。とにかく凄い。この想いをきちんと伝えられる語彙と表現力が欲しい。切実に。

野田サトル『ゴールデンカムイ』全31巻

友人からの「絶対好きだよ!!」という熱い薦めにより途中までは2024年5月頃に読んでたけど、なんだかんだ空白の期間が出来てしまって…
お正月から再び1巻から読み始めたら、なんで前回は途中で止めれた!?というくらい面白かった!!
杉元とアシㇼパ、土方と永倉、鯉登少尉と月島軍曹、それぞれの関係性が良くて好きだ…
煽りの「感情闇鍋ウエスタン」が言い得て妙すぎる。

【2025年1月のまとめ】

2025年1月1日時点で積読は577冊。
1月中の積読追加が20冊、読了・再読が36冊。
結果、1月31日時点で積読572冊。

『ゴールデンカムイ』全巻読破が積読消化に大きく貢献すると思いきや、そうでもなかったね??あれ??
1月は漫画が多かったので、2月は漫画以外を多めに読むようにしてバランス取ろう!

2024年の締めは『サロメ』!/2024年12月読書記録

「好きなように本を選ぶ」とは、単にいい加減に選ぶことではない。自らの好奇心と感受性を信じてそれを鍛え、自分の時間を支払って、本を選ぶ自由を守ることだ。自らの趣味嗜好を認識し、時にはそこから一歩出てみようと試みることだ。その挑戦がなければ、私はいつか、いつも似たような本ばかりを読むことになるだろう。それはきっと心地いいに違いないが、でも少しさみしいではないか、本はこんなにあふれているのに。
だからこそ私は、今日も好きに本を選ぶのである。

引用元:米澤穂信『米澤屋書店』(文春文庫) p80

積読解消とブログ放置防止の為に、この読書記録を初めたけど、今のところちゃんと毎月更新出来ていてひと安心!この調子で続けていければいいなぁ…

【2024年12月に読んだ作品】

白梅ナズナ/まきぶろ『悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~』1巻〜5巻

Kindle Unlimitedで1巻だけを試し読みするつもりだったけど、あまりにも面白くてすぐに既刊を揃えた!
ストーリーは面白いし、絵も美しい。
何より、エミとレミリアの互いを愛し慈しむ関係性が良い。しかし、愛する対象がエミだからこそ優しい世界を作ろうとするのであって、根本的にレミリアが“悪役令嬢”であることに変わりはないんだよね…
あと、エルハーシャ殿下と側近達が好き!
スフィアさんとクリムト君もどうなるのか気になるな〜〜!!

歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』

有名作品だけど、奇跡的にネタバレに触れることなく読めて助かった!
確かに、ちょっと違和感ある箇所はあったけど、全然分からなかった。先入観がめっちゃ仕事した…

背筋『口に関するアンケート』

怖がりなのでホラーは基本的に読まないんだけど、表紙は不気味だし装丁は同人誌みたいだし、書店で目立ってたので無視出来ずに買ってしまった。
ずっと嫌な感じで怖い。とはいえ、それほどでも…とちょっと舐めてたけど、最後の最後が怖すぎるのだが!?タイトル、そういうことか!

瀬戸口みづき『ローカル女子の遠吠え』11巻

おぉ、ついに本格的に富士登山!
そして、山梨のナイスミドルにようやく名前が!改めて1巻読み返したら、ナイスミドルは水馬さんより早く登場してる…ここまで名前なかったの凄いな…

平尾アウリ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』11巻

第58話によって、ちゃむの前列の衣装はリボン、後列はネクタイということに今更気付いた…
今回は出番が少ないけど、その少ない出番の中でも舞菜に対してあーやは良いことを言う。しっかりしてて可愛いな!!やっぱり、ちゃむは箱推しだ!

米澤穂信『米澤屋書店』

米澤穂信がずっっっと本の話をしている最高なエッセイ&対談。桜庭一樹読書日記シリーズをこよなく愛する人間なので、こういう作家によるビブリオエッセイはなんぼあってもいい!!
図書カード三万円使い放題企画のエッセイ「鷹と犬」が特に面白い。予算と体力の配分が上手くいかないの身に覚えがあり過ぎる…
とりあえず、ヘレン・マクロイ「東洋趣味」はマストとして、読みたい本がめちゃくちゃ増えたな〜!
そして、大好きなくせに未読作品が多いので、そもそも米澤穂信作品を読まなければ…

オスカー・ワイルド/河合祥一郎(訳)『新訳 サロメ』

ヨカナーンがサロメに対して敬語を使っている箇所があり、ヨカナーンが敬語を使うイメージないな〜と思っていたら。訳者あとがきによると、その箇所はヨカナーンがサロメを意識していることを示しているらしい。なるほど…
やっぱり『サロメ』好きだ!!

【2024年12月のまとめ】

2024年12月1日時点で積読は569冊。
12月中の積読追加が19冊、読了・再読が11冊。
結果、12月31日時点で積読577冊。

2024年の読了冊数は漫画を含めて117冊。
今年の目標読了冊数は140冊だったので、思ったよりも積読消化出来ず…

6月に読むぞ!と意気込んでいた『サロメ』を12月に読んでいるし、次月に読む本を設定してたけどあんまり意味なかったし、やっぱり読書は気まぐれなものだ、と実感。

来年もゆるゆる読書生活を楽しむぞ〜!!

初めて王谷晶作品を読む。/2024年11月読書記録

けれどその動機も感情もまた、名前はつけられない。愛ではない。愛していないから憎みもしない。憎んでいないから、一緒にいられる。今日も、明日も、来年も、おそらく死ぬまで。

引用元:王谷晶『ババヤガの夜』(河出文庫)Kindle版 p128

10月に桐野夏生の〈村野ミロ〉シリーズを一気に読んだせいか、読書に対する満腹感が凄くて何を読んだらよいか分からなくなっちゃった…
こういう読書スランプの時は「本」に関する本を読むのが一番の回復方法。早速「本の雑誌」2024年11月号をパラパラめくる。特集タイトルが「犯罪小説に震えろ!」。このタイトルだけで鼻歌が出ちゃう。
読みたい本もたくさん見つかったし、一番気になった『ババヤガの夜』は手に入れたし、やはり「本」に関する本は良い。大事。

【2024年11月に読んだ作品】

さのさくら『ただの飯フレです』3巻

この漫画、何とも言えずモヤモヤした状態を平易な言葉で言語化してくれるので毎回「あ〜!そういう風に言いたかった〜!分かる〜!」となる。
かわかわさんの「相手の気持ちは相手に聞かないと分からない」は当たり前のことなんだけど、ついつい忘れちゃうよね…

道尾秀介『いけない』

各章の最後の写真によって、それまでの物語が変わる。こういう仕掛けがある作品、大好きだ〜!!最後の章で仕掛けの謎は分かる安心設計だけど、自分の察しの悪さに驚く羽目にはなった…伏線、あちこちにちゃんとあった… 

中井英夫『新装版 とらんぷ譚3 人外境通信』

中井英夫の短編は良い〜!好き〜!
幻想と耽美に浸っていると急に表れるピーマンへの罵詈雑言と〈ピーマンを憎み続けし者、ここに眠る〉という墓碑銘のインパクトに戸惑う。自作解説によると、本当に中井英夫はピーマンが嫌いらしい。この世界観でピーマン嫌いが爆発してるの、面白すぎるな…
収録作の中では、「笑う椅子」と「青猫の惑わし」が好き。

王谷晶『ババヤガの夜』

お、面白かった〜!!
バイオレンスとシスターフッドの組み合わせがこんなに相性良いとは!!
ミステリ的な仕掛けもあって、エンタメとして最高〜〜!!好き〜!!
友人や恋人といった枠にはまらない、でも互いを尊重している依子と尚子の唯一無二な関係性が良い。これを「シスターフッド」と言い切ってしまってよいかも悩むけど、分かりやすく伝えるには「シスターフッド」という言葉しかないよな…

【2024年11月のまとめ】

2024年11月1日時点で積読は555冊。
11月中の積読追加が18冊、読了・再読が4冊。
結果、11月30日時点で積読569冊。

ここで月間の積読追加数を把握するようになって気付いたけど、毎月15冊くらい積読増えてるな!?そりゃ積読も減らないよ!!
とはいえ、今年の年末年始休暇は例年より長いので積読消化の絶好のチャンス。
12月に読みたい本は以下の3冊で!

①織守きょうや『花束は毒』
②米澤穂信『米澤屋書店』
③背筋『口に関するアンケート』

初めて桐野夏生作品を読む。と思いきや。/2024年10月読書記録

いやな夢を見ていた。
私はマイクロバスの後部座席に一人座り、どこかに向かっているところだった。どうやら、行く当てのない旅の途中らしい。

引用元:桐野夏生『新装版 顔に降りかかる雨』(講談社文庫)Kindle版 p5 

読んだことのない作家の作品を読もう!と思って、桐野夏生の〈村野ミロ〉シリーズを読み始めた。
何で今まで読んでなかった!?というくらいページをめくる手が止まらず、大興奮。仕事をしている平日の24時間以内に読み終わるなんて久しぶりの読書体験。
〈村野ミロ〉シリーズの次に読む桐野夏生作品を鼻息荒く調べたところ、『残虐記』というタイトルに覚えがある…
慌てて過去の読書ノートを調べたら、2019年に『残虐記』を読んでるな!?ちゃんと「初めての桐野夏生作品」と記録してるし!!しっかりしろ!!記憶力!!
しかし、内容を全く覚えてないのでとりあえず再読しようかな、『残虐記』…

【2024年10月に読んだ作品】

首藤瓜於『指し手の顔 脳男Ⅱ 上下合本版』

事件そのものも脳男こと鈴木一郎の暗躍も面白かったけど、最後の真梨子先生の気持ちがよく分からずモヤモヤする…なぜ自分と自分の友人を辛い目に合わせた事件の黒幕に肩入れして、脳男をここまで憎むのか?続巻への伏線なのかな??

てらいまき『めんどくさがりやの自分の機嫌を取る暮らし』

コミックエッセイ。
自分のライフスタイル・性分に合った素敵なモノを探すのって楽しいけど、大変だよね…
てらいさんは自分のことをよく理解出来ているからこそ、きちんと自分に合うモノを見つけられるんだろう。見習いたい。
しかし、キウイを皮ごと食べる勇気がすごくて驚いた。脱帽する。

寺地はるな「リボンちゃん」第三話

『別冊文藝春秋』電子版57号収録。
リボンちゃんの元恋人、リボンちゃんの父親、加代子さんの同級生であるマリエさんとストーリー上の重要人物が揃い踏みでは?
「人生を変える必要がある?」という質問に対して、その必要はないと答えられるリボンちゃんはかっこいい。好き。

大山誠一郎『仮面幻双曲』

思わずニヤニヤしちゃうくらいの正統派本格ミステリだ!事件のポイント・解決の糸口がハッキリした時の驚き!最高!
兄妹探偵も可愛くて良かった。シリーズ化してほしい。
あと、阿津川辰海の解説が作品の評価・先行作・改稿を教えてくれるのでより一層楽しめる。こういう解説、とても嬉しい。

桐野夏生『新装版 顔に降りかかる雨』

ミロや燿子をはじめとして、色んな人間の業や欲望が絡まって思いもよらぬ方向に事件が進んでいくのが面白い。
掴みどころのない登場人物が多いけど、その中でも主人公の村野ミロという存在が群を抜いて不可思議で、とても魅力的。
解説によると、桐野夏生は過去に少女小説を書いていたとのこと。少女小説好きとしては、ぜひとも読んでみたいな…

桐野夏生『新装版 天使に見捨てられた夜』

調査対象者と関係を持ち、失敗するミロはとてもダサい。でも、搾取されまいとする強い姿勢はかっこいい。
トモさんとの「隣人愛」も良い。でも、危ういバランスで成り立っているような…
ラストは犯人にとってまさに「天使に見捨てられた夜」であり、辛く悲しい。
このシリーズ、好きだ。

桐野夏生『水の眠り 灰の夢』

ミロシリーズの番外編?エピソードゼロ?で、村善の若い頃の話。なるほど、ミロと村善はそういうことか…番外編とはいえ、シリーズにとって重要な作品では??
あと、最後の君江からの手紙が泣ける。二人で幸せに暮す未来もあったはずなのに。
読み終わった後に、草加次郎事件が実在の事件と知って驚いた。

桐野夏生『新装版 ローズガーデン』

短編集。
表題作はミロの元夫・博夫視点による話。博夫が想像と違いすぎて、ひっくり返った。よく考えたら、ここまで博夫のパーソナル面に関して何も言及なかったの凄いな…読者を驚かせるの上手すぎる…
ミロと村善の関係はどうなんだろう??ミロの虚言なの??
他の短編は現在のミロの探偵譚。「ローズガーデン」の女子高生のミロと探偵のミロが同一人物とは思えなくて…
結局、このシリーズにおける一番の謎はミロそのものだと確信した。

桐野夏生『ダーク』上巻・下巻

ミロも村善もトモさんも皆どうした…特にトモさんがめちゃくちゃイヤな奴になってる。というか、久恵といい、登場人物が全員イヤな奴だな!?
とはいえ、ミロを嫌いになれないので周りを巻き込みながら堕ちていくのをハラハラしながら見守る。一緒に生きていくパートナーを見つけたミロだけど、この作品を読む限りその気持ちもいつまで続くか分からないのが怖い。
シリーズものの登場人物達のパーソナリティが、最後の作品でこんなにも乖離するのは珍しいと思う。噂に違わぬ凄いシリーズだったな…

寺地はるな「リボンちゃん」第四話

『別冊文藝春秋』電子版58号収録。
姉妹や兄弟の間にある微妙な愛憎が大好物なので、今回の話はより一層好き。
波瑠ちゃん、幸せになってくれ!
あと、マイクロバスが気になる。

背筋「オシャレ大好き」

『別冊文藝春秋』電子版58号収録。
ホラーはホラーなんだけど、これは乱歩が言うところの「奇妙な味」では!?
積んである『口に関するアンケート』への期待が高まる…!!

【2024年10月のまとめ】

2024年10月1日時点で積読は548冊。
10月中の積読追加が16冊、読了・再読が9冊。
結果、10月31日時点で積読555冊。
10月中に読むと計画的に決めた本は、結局1冊しか読んでない…
気を取り直して!11月は以下の3冊は読むぞ!

①道尾秀介『いけない』
②さのさくら『ただの飯フレです』3巻
③戸野由希『冴えない王女の格差婚事情 1』