はつねの記録

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初めて王谷晶作品を読む。/2024年11月読書記録

けれどその動機も感情もまた、名前はつけられない。愛ではない。愛していないから憎みもしない。憎んでいないから、一緒にいられる。今日も、明日も、来年も、おそらく死ぬまで。

引用元:王谷晶『ババヤガの夜』(河出文庫)Kindle版 p128

10月に桐野夏生の〈村野ミロ〉シリーズを一気に読んだせいか、読書に対する満腹感が凄くて何を読んだらよいか分からなくなっちゃった…
こういう読書スランプの時は「本」に関する本を読むのが一番の回復方法。早速「本の雑誌」2024年11月号をパラパラめくる。特集タイトルが「犯罪小説に震えろ!」。このタイトルだけで鼻歌が出ちゃう。
読みたい本もたくさん見つかったし、一番気になった『ババヤガの夜』は手に入れたし、やはり「本」に関する本は良い。大事。

【2024年11月に読んだ作品】

さのさくら『ただの飯フレです』3巻

この漫画、何とも言えずモヤモヤした状態を平易な言葉で言語化してくれるので毎回「あ〜!そういう風に言いたかった〜!分かる〜!」となる。
かわかわさんの「相手の気持ちは相手に聞かないと分からない」は当たり前のことなんだけど、ついつい忘れちゃうよね…

道尾秀介『いけない』

各章の最後の写真によって、それまでの物語が変わる。こういう仕掛けがある作品、大好きだ〜!!最後の章で仕掛けの謎は分かる安心設計だけど、自分の察しの悪さに驚く羽目にはなった…伏線、あちこちにちゃんとあった… 

中井英夫『新装版 とらんぷ譚3 人外境通信』

中井英夫の短編は良い〜!好き〜!
幻想と耽美に浸っていると急に表れるピーマンへの罵詈雑言と〈ピーマンを憎み続けし者、ここに眠る〉という墓碑銘のインパクトに戸惑う。自作解説によると、本当に中井英夫はピーマンが嫌いらしい。この世界観でピーマン嫌いが爆発してるの、面白すぎるな…
収録作の中では、「笑う椅子」と「青猫の惑わし」が好き。

王谷晶『ババヤガの夜』

お、面白かった〜!!
バイオレンスとシスターフッドの組み合わせがこんなに相性良いとは!!
ミステリ的な仕掛けもあって、エンタメとして最高〜〜!!好き〜!!
友人や恋人といった枠にはまらない、でも互いを尊重している依子と尚子の唯一無二な関係性が良い。これを「シスターフッド」と言い切ってしまってよいかも悩むけど、分かりやすく伝えるには「シスターフッド」という言葉しかないよな…

【2024年11月のまとめ】

2024年11月1日時点で積読は555冊。
11月中の積読追加が18冊、読了・再読が4冊。
結果、11月30日時点で積読569冊。

ここで月間の積読追加数を把握するようになって気付いたけど、毎月15冊くらい積読増えてるな!?そりゃ積読も減らないよ!!
とはいえ、今年の年末年始休暇は例年より長いので積読消化の絶好のチャンス。
12月に読みたい本は以下の3冊で!

①織守きょうや『花束は毒』
②米澤穂信『米澤屋書店』
③背筋『口に関するアンケート』