はつねの記録

読書記録とか日記とか色々。

読書の幅を広げたい人へ / 桜庭一樹『少年になり、本を買うのだ 桜庭一樹読書日記』

新しいもの、古いもの。この国の仲間が書いたもの、異国のべつの時間を生きた人が書いたもの。どの本も、素晴らしい世界を予感させてきらきらしている。

引用元:桜庭一樹『少年になり、本を買うのだ 桜庭一樹読書日記』(創元ライブラリ)Kindle版 p420 

読書家あるあるだと勝手に思っているのですが、他人の本棚とか愛読書とか、めちゃくちゃ気になりませんか?

少なくとも読書家(自称)の僕は、めっっちゃ気になります!!

思い込みだと自覚してはいるのですが、好きな本を知ることによって、その人の頭の中・人間性をより知れるような気がしてるんですよねぇ。

それ故に、推しとか好きな作家さんの本棚とか、めっちゃ見たい!知りたい!推しのSNSに本棚写り込まないかなぁ〜!と思って日々を過ごしています。

そんな他人の本棚見たい願望を叶えてくれるのが、桜庭一樹『少年になり、本を買うのだ 桜庭一樹読書日記』です!この本はタイトル通り、直木賞作家・桜庭一樹さんの日常と読書の記録となります。

桜庭一樹さんが小説家として凄いのは周知の事実かと思いますが、この読書日記を読むと読書家としても凄いことが分かります。

とにかく、読書量が凄い!初めてこの読書日記を読んだ時、え!?1日に何冊読むの!?と驚きました。読書量だけでなく、読んでる本のジャンルも小説・詩集・ドキュメントなど多岐にわたっています。

これだけのインプットがあるからこそ、あの名作たちが生まれたのか…としみじみします。本当に凄い…

あと、桜庭さんの日常描写が面白い!冒頭の空手道場で発生したフーダニット風の展開とか父親に名前を呼び間違えられたとか。
何気ない日常をこういう風に書けるって凄いなぁ、こんな風にブログ書けるようになりたいなぁと思っています。

この読書日記を初めて読んだのは10代の時でした。その時に感銘を受けたのがこちら。

わたしは普段、本や映画を選ぶときに、人が薦めるものをなるべく入れるようにしている。自分の選択だけだとどうしてもかたよって、その場所がせばまっていってしまう。せばまり続けるとちいさくなって完結して、そうなったら、死ぬ。

引用元:桜庭一樹『少年になり、本を買うのだ 桜庭一樹読書日記』(創元ライブラリ)Kindle版 p269

本・物語を愛する者としては世界をせばめたくねぇ!と思ったので、とりあえずこの読書日記で紹介されてる本を積極的に読むことにしました。
この読書日記がなければ、尾崎翠佐々木丸美皆川博子も読まない人生だった可能性が非常に高いです。それを考えるとゾッとしますね…

今でも、出来るだけ自分の好みに偏らないようにSNSや書店で話題の本をチェックするようにしています。ちょっとでも面白そう!と思ったら、すぐに読書記録アプリ・ブクログに「読みたい」登録します。他人の仮想本棚も見れますし、ブクログは重宝してます。

桜庭一樹『少年になり、本を買うのだ 桜庭一樹読書日記』は、「もっと本を読みたい!」という気分にさせてくれる素敵な本です。
しかも、この読書日記はシリーズ化しており、あと4冊既刊があります。全て読むと読みたい本が大量に出てくること請け負いです!
ぜひ!読んでみてください!

 

おわり!